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ライ角 |
ゴルフクラブのライ角とは、下の写真のように、ゴルフクラブをスコアラインが(またはソール面が)
水平になるようにして地面に置いたときに、水平な地面とシャフトの中心線とが作り出す角度です。
(スコアラインとソール面は基本的に平行だという前提で話を進めます。)
ゴルフクラブのライ角は、アイアンの方向性を大きく左右する数値です。
あと、ウッドやユーティリティーの場合には、ほんの少しだけ、球の捕まりを左右する数値です。

| ライ角を正確に測定するには、 「ヘッドスペック測定器」と呼ばれる 右の写真のような専用の計測機を用います。 | ![]() | |
| ライ角をご家庭で正確に測定するのは、 ちょっと困難です。 ライ角を簡易的に測定するための 右の写真のような器具もあるにはあるのですが、 数値の正確性に難があります。 | ![]() |
市販ゴルフクラブのライ角の平均値は、以下の通りです。
ゴルフクラブのライ角の選び方は、ウッドとアイアンで異なります。
アイアンのライ角は、インパクトの瞬間に、ソールが水平になるような数値のものを選ぶべきです。
もしくは、そうなるように、ライ角を調整するべきです。
この点に関して、当ページで詳細をご説明していきます。
ウッドやユーティリティーのライ角は、必ずしも、インパクトの瞬間にソールが水平になるような数値のものを
選ぶ必要はありません。ウッドやユーティリティーのライ角は、ほんの少しだけ球の捕まりに影響しますが、
ぶっちゃけ無視していいぐらいです。この点に関しても、このページの後半で詳細をご説明していきます。
ここから、しばらくはアイアンのライ角に関して、ご説明したいと思います。
市販の平均的なアイアンのライ角は、日本人成人男性の平均身長である170cm前後を
想定して設定されていると思われます。平均身長が大きくなってきているからでしょうか、
一昔前のアイアンのライ角の平均値よりも、最近のアイアンの平均値の方が1度ほどアップライトに
(ライ角の数値が大きく)なっています。最近のアイアンの平均的なライ角設定は、下表の通りです。
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基本的に、ほぼ全てのアイアンのライ角は、番手ごとに0.5度刻みで設計されています。
上表は、あくまでも平均的なアイアンの場合です。当サイトで数値を掲載しているアイアンの中には、
5番アイアンのライ角が57.5度という非常にフラット(ライ角の数値が小さい)なものや、
5番アイアンのライ角が63度という非常にアップライト(ライ角の数値が大きい)なものも存在します。
また、海外からの平行輸入品などの場合には、日本人用のモデルよりもライ角がアップライトに
なっているケースが多いと思います。
アイアンのライ角が合っていないことの弊害は、大きく3つあります。
1つ目の弊害は、ボールがあさっての方向に飛んでしまうことです。

上の3枚の写真では、フェースにくっついている赤い丸から、フェース面と垂直に黒い棒が伸びています。
この黒い棒が指している方向がフェース面の向いている方向です。
また、床面に黒い線が引いてあります。この線が指している方向が、ターゲット方向です。
上の写真ではわかり難いですが、いずれの写真でも、クラブヘッドのリーディングエッジは、
ターゲット方向にスクエアになるように、ヘッドが置かれています。
左の写真(1)では、ソールのヒール側(シャフトがついている側)が浮いた状態になっています。
リーディングエッジはターゲット方向とスクエアになっているにも関わらず、フェース面から伸びている黒い棒は、
ターゲットの右方向(写真はターゲット方向から撮影されているので、写真で言うと左方向)を向いています。
つまり、フェース面はターゲットよりも右を向いているということです。
この状態でインパクトを迎えると、ボールは右に飛んでしまいます。
この状態を「(適正なライ角よりも)ライ角がフラットすぎる状態」と言います。
右の写真(3)では、今度はトゥ側(ヘッドの先っちょ側)が浮いた状態になっています。
フェース面から伸びている黒い棒は、ターゲットの左方向を向いています。
この状態でインパクトを迎えると、ボールは左に飛んでしまいます。
この状態を「(適正なライ角よりも)ライ角がアップライトすぎる状態」と言います。
中央の写真(2)では、ソールが地面と平行であり、ヒール側もトゥ側も浮いていません。
フェース面から伸びている黒い棒は、正しくターゲット方向を向いています。
この状態でインパクトを迎えると、ボールは気持ちよくターゲットに向かって飛んでいきます。
この状態を「ライ角が適正である」と言います。
このように、ライ角がフラットすぎたり、アップライトすぎたりしていると、ボールはターゲットと異なる、
あさっての方向に飛んでしまいます。これが1つ目の弊害です。
フェースの向きがどのぐらいずれるかは、次の計算式で計算できます。
(フェースの向きがずれる角度)=(適正なライ角からずれている角度)×(ロフト角)÷90度
この弊害の影響は、ロフト角の大きなクラブほど顕著です。
フェースの向きがずれる角度はロフト角に比例します。
よって、アイアンのライ角はウッドのライ角よりも、はるかに重要であり、
ショートアイアンやウェッジで最も重要です。
実際、ライ角のズレは、ボールの挙動にどれほどの影響を与えるのでしょうか。
仮にロフト角48度のピッチングウェッジで、カップまで110ヤードの完璧なショットを打ったとします。
運が良ければカップインするか、運が悪くても旗竿に当たるぐらい完璧なショットです。
しかし、残念なことに、このプレイヤーは、自分に合ったライ角から5度もアップライトなピッチングウェッジを
使っていたとします(ライ角に無頓着なプレイヤーであれば、十分にあり得ることです)。
この時、リーディングエッジはスクエアであっても、フェース面は約2.7度左を向いてしまいます。
計算上、このショットは、カップから5ヤード以上も左に着地します。
2つ目の弊害は、実質的な重心高さが高くなってしまうことです。
ゴルフクラブフェース上の重心(スイートスポットまたは芯とも言います)とは、そこでボールをヒットした時に、
最も効果的にボールにエネルギーを伝達できる場所のことを言います。
重心でボールをヒットしたときプレイヤーは、えもいわれぬ快感を得ることができます。
重心高さのページで詳述しますが、アイアンの場合、基本的に重心は低ければ低いほど、
やさしいアイアンだと言うことができます。

上の写真で、赤いラインは地面です。フェース上の赤い点は重心です。
ライ角が適正である(2)の状態で、重心の高さは青いラインの高さです。
これに対して、ライ角がフラットすぎる状態の(1)や、ライ角がアップライトすぎる状態の(3)においては、
重心を示す赤い点が、青いラインよりもやや上にきています。
つまり、ライ角がアップライトすぎたり、フラットすぎたりすると、地面に対する実質的な重心は高くなってしまい、
その分だけ重心でボールをヒットすることが難しくなってしまうのです。これが2つ目の弊害です。
3つ目の弊害は、アドレスが歪んでしまう可能性があることです。
ライ角は、ご自分の体格に合ったものを選ぶか、もしくはご自分の体格に合わせて調整すべきです。
適正なライ角は、プレイヤーのアドレスの手の高さで決まります。
(アドレスとインパクトで、手の高さが大きく異なる方の場合にはインパクトの手の高さで決まります)。
手の高さが高いプレイヤーは、ライ角がアップライトな(ライ角の数値が大きい)アイアンが適し、
手の高さが低いプレイヤーは、ライ角がフラットな(ライ角の数値が小さい)アイアンが適します。
手の長さにもよりますが、一般的に、身長が高いプレイヤーは、手の高さが高い傾向にあり、
身長が低いプレイヤーは、手の高さが低い傾向にあります。

身長が高く、手の高さも高いプレイヤーが、自分に合わないフラットなライ角のアイアンを持って、
その合わないライ角に無理やり身体を合わせてアドレスすると、(1)の写真のように、
不自然にハンドダウンしたアドレスになってしまいます。
また、身長が低く、手の高さも低いプレイヤーが、自分に合わないアップライトなライ角のアイアンを持って、
その合わないライ角に無理やり身体を合わせてアドレスすると、(3)の写真のように、
不自然にハンドアップしたアドレスになってしまいます。
(2)の写真のように、自然なアドレスをとるためには、それを可能にするための、
適正なライ角をもったアイアンが必要不可欠です。
さて、上記の3つの弊害を避けるために、アイアンのライ角は、自分の体格に合っていて、
かつ0.5度刻みに正しく設定されていて欲しいものですが、残念ながら、市販のゴルフクラブは、
必ずしもライ角の数値が0.5度刻みで正確にフローしているとは限りません。
ゴルフクラブメーカーのライ角(およびロフト角)の公差(これぐらいならズレていても許してね、という誤差)は、
精度の高い工場であっても±1度ぐらいなのです。0.5度刻みの設計に対して、公差が±1度ということは、
番手ごとのライ角は、簡単に逆転してしまうということです。
残念ながら、運悪く、こういうアイアンに当たってしまう可能性は、少なからずあります。
と言うか、市販のアイアンのライ角がカタログ値と完全に一致していたら奇跡です。
もし、そういうアイアンに当たってしまったとしても、購入したアイアンのヘッドの主素材が
「軟鉄」という素材であれば、救われます。
「軟鉄」は比較的軟らかい金属なので、ライ角を調整することができるのです。
軟鉄素材のヘッドの製造技術が向上したため、最近は市販のアイアンの3割ぐらいが、
軟鉄製のアイアンです。
もし、購入したアイアンのヘッドの主素材が、「17-4ステンレス」、「SUS630ステンレス」、「チタン」、
「マレージング鋼」、「クロムモリブデン鋼」などの素材であれば、残念ですが、あきらめてください。
これらの素材は硬い金属なので、ライ角の調整はできません。
従いまして、アイアンを購入する際には、ヘッドの主素材が「軟鉄」であることをご確認するようお勧めします。
そして、購入したら、ライ角(およびロフト角)を調整して使用することをお勧めします。
ゴルフクラブメーカーのライ角の公差は±1度ぐらいな訳ですが、1度ぐらいのズレというのは、
「大したことない」ことでしょうか?
もし、ライ角に合わせてアドレスをとった場合、5番アイアンのライ角が1度ズレていたら、
アドレスでグリップエンドは、計算上約1.7cmズレることになります。
クラブはグリップからヘッドまで一本につながっていますから、グリップエンドが1.7cmズレたら、
つながっているヘッドも同じように1.7cmズレてもおかしくないですね。
ヘッドの1.7cmのズレは、芯を外すのに十分な距離だと思います。
仮に、これが2度で、3.4cmズレたら...、下手すると空振りしてしまいます。
ご自分に合ったライ角を見つける最適な方法は、下の写真のようにアイアンのソールに紙テープを張って、
そして練習場でたくさん球を打ち、ソールのどの部分が一番こすれているかを見る方法です。
この方法を「動的ライ角フィッティング」と言います。

ソールの紙テープが、真ん中辺りを中心にして、ヒール側からトゥ側まで左右対称にこすれていれば、
そのアイアンのライ角は貴方に合っています。
ヒール側が多くこすれていれば、そのアイアンのライ角は、貴方にとって、アップライトすぎます。
トゥ側が多くこすれていれば、そのアイアンのライ角は、貴方にとってフラットすぎます。
写真は私のアイアンで試してみたものですが、微妙にヒール側が多くこすれているので、
0.5度ほどフラットに調整しても良いかもしれません。
紙テープ以外にも、ソール全体を油性マジックで塗って、どこが一番こすれているかをみる方法もあります。
アイアンのライ角の話が長くなってしまいましたが、次はウッドのライ角です。
結論を先に申し上げますと、ウッドのライ角は軽視しても大丈夫です。

アイアンのソールが直線的なのに対して、ウッドやユーティリティーのソールは丸くなっていますので、
アイアンほどシビアにライ角のズレを気にしなくても良いと思います。
アイアンと同じような弊害が発生するかどうかを考えて見ましょう。
一点目の弊害「ボールがあさっての方向に飛んでしまう」可能性についてですが、
ウッドやユーティリティーはロフト角が小さいため、フェースの向きのずれはアイアンほど大きくありません。
フェースの向きがどのぐらいずれるかは、次の計算式で計算できます。
(フェースの向きがずれる角度)=(適正なライ角からずれている角度)×(ロフト角)÷90度
例えば、リアルロフトが9度のドライバーの場合であれば、ライ角が適正な角度から、
仮に5度ズレていたとしても、フェースの向きがスクエアからズレる角度は、0.5度にしかなりません。
0.5度のズレというのは、230ヤードのキャリーで、横に2ヤードずれるぐらいの角度です。
従いまして、ウッドやユーティリティーのライ角が合っていないせいで、ナイスショットがOBになったりはしませんし、
アップライトなライ角のドライバーを使っても、右OBになる打球がフェアウェイに戻ってきたりもしません。
二点目の弊害「実質的な重心高さが高くなってしまう」という問題について、
ウッドやユーティリティーはソールが丸いおかげで、重心高さのズレはアイアンほど顕著ではありません。
また、ドライバーの場合には、ティーアップしたボールを打ちますので、インパクト時のライ角がどうなっていようと
全く問題ではありません。

三点目の弊害「アドレスが歪んでしまう可能性」について、
ウッドやユーティリティーはヘッド全体が丸みを帯びているので、多少アップライト気味であったり、
フラット気味であったりしても、アドレス時に大きな違和感を感じずに済むのではないかと思います。
さて、重心距離のページで詳細を記述しますが、最近のドライバーは、ヘッドがグレープフルーツぐらいに
大きくなってしまったので、重心距離が長くなってしまい、その結果、球の捕まりが悪くなってしまいました。
ゴルフクラブメーカーは当初、フェース角をフックにして、球の捕まりの悪さを補おうとしましたが、
フックフェースのクラブはアドレスで構えにくいですし、多くのゴルファーがアドレスでフェースをスクエアに
セットしなおしていました。
そこで、ゴルフクラブメーカーが次に目をつけたのがライ角です。
ライ角を超アップライトにして、実質的にフェースを左に向けようとしたのです。
しかしながら、前述のように、この効果はほんのわずかです。
ゴルフクラブメーカーはもしかしたら、「アップライトなライ角で球の捕まりを劇的に改善!」などという
宣伝文句を謳うかもしれませんが、それは誇大広告というものです。
また、最近のドライバーのライ角の平均値が約60度であることからもわかりますが、
現時点で既に大半のモデルで、アップライトなライ角が採用されています。
結論として、ウッドやユーティリティーのライ角については、
アイアンほどシビアに考えなくても良いでしょう。
数値を測りがてら、ロフト角ライ角調整はいかがですか?
長さ、総重量、振動数、バランス、リアルロフト、ライ角、重心角、フェースプログレッション、
これらを全部測り、かつロフト角ライ角を調整いたします!
ライ角
